Page10.付箋の紹介~読書記録11~13~

 

 

 

■「人の砂漠」(沢木耕太郎)

"昭和に発行された本なのでネタ自体は古いしこちとらそんな事件知らねーよの連続みたいな話ばっかだったけど全8編すべて面白かったのはやはり書き方と考察のおかげだろうか。

もうなんかいかにも頭固そうな表紙デザインとタイトル(ごめん)なので読むまでに時間がかかったけど読み始めてからはむさぼるように読み進めた。

まず初っ端から「おばあさんが死んだ」で度肝を抜かれたっていうかミステリー小説を思わせてわくわくしちゃったんだよ不謹慎かもしれないけど。そして新聞に写ってたノートきになっちゃって調べに走るあなたがすき。私もそれくらい動けるようになりたい。情動に突き動かされたい。与那国の話も面白かった。行ってみたくなる。なんも自分知らないんだなってなる。

だからいつもあなたの本を読むと世界が開けた気になるよ。あなたが動いて、仕入れた情報で、考察して、いろんなものを切り開いてく感じが大好きだよ。ラブレターかよこれもう。

最終の詐欺師の話もなかなかきてるね。

事実を始めて、完結させるの。どの話を読んでも完成されててすき。"

 

■「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」(村上春樹)

"素晴らしい旅行記。村上春樹の独特の表現で味の表現がみられるだけでも楽しい。まるで流れるように小説のように旅が進む。まあ小説家が書いてるんだけど。

その土地に行って土地のものを食べて飲んで、感じて、って、大人の旅って感じがする。まあ、50歳越えてから書いたみたいだけど。

アイラモルトって飲んだことないけどきになっちゃうね。アイラ島に行ってみたくなる。中でも生牡蠣にアイラモルトをたらして食べるとおいしい話はぐぐっときになる。すごく食通ぽいな。

各蒸留所の飲み比べというのも面白い。飲むだけでなくて生産工程とか作ってる人にまで考えが及ぶのがとても面白い点だと思う。

写真も多くてウイスキーをはぐくむ土地の緑や行ってみたいと思わせるような海、町やバーなどがちらちら入っていて軽い読み物として気分転換にすてき。"

 

■「面白南極料理人」(西村淳)

偉い騒ぎである。コミカルな描き方以外にも、読み易く文法きちんとしていて、ああ頭良い人が書いてるんだろうなという印象。ちょいちょい北海道弁ネタが出てくるのが楽しい。

それがメインの仕事とはいえ、よく冷凍材料ばかりで毎回きちんとごはん作るなあすごいなあと思った。本人は手抜きって言葉を多用してるけど、わあシェフだ~ってなる。

南極観測隊の記録として興味深いだけじゃなく、著者の人独自の読み物として面白く(観点と日記)、料理に想像を膨らませお腹が空き、妻みゆきちゃんとドクターへの愛を感じる本。ベストセラー(←言葉の使い方違う)